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公民館の価値を伝播させていく 地域おこし協力隊

Aya Enomoto

尾道市地域おこし協力隊

広島県福山市生まれ。日本大学法学部卒業後、IT企業での営業職を経て2025年7月、尾道市地域おこし協力隊に着任。教育委員会生涯学習課に所属し、公民館を拠点とする世代を越えた場づくりに取り組んでいる。拠点は2026年2月にオープンした栗原公民館。因島の公民館で、高校時代から打ち込んできた競技かるたを継続中。

幼少期から惹かれていた
尾道のまち

朝陽が尾道水道をきらめかせ、通勤通学する人々を渡船が運ぶ。商いの人たちは1日の準備をはじめ、少しずつ尾道のまちが動き出す。2025年に尾道市地域おこし協力隊としての活動を始めた榎本さんは、そんな光景を眺めながら自転車で通勤している。

尾道の隣・福山市で生まれた榎本さんは、小学3年生の夏に引っ越して以来、東京で暮らしてきた。大学卒業後はIT企業へ就職。やりたいことというよりも、安定性を見据えて選んだ職場だった。

「びんご運動公園で遊んだことや、ねだって買ってもらった『からさわ』のアイスのことをよく覚えています」。都会の速度に身を任せながらもずっと心の奥に凪いでいたのは、小さい頃にふれた尾道の記憶だった。

地域に関わる仕事を、尾道で

人と話すことが好きな彼女にとって、コロナ禍で感じた孤独は少しずつ心を摩耗させた。「地域で人と関わる仕事がしたい」という想いで見つけたのが、尾道市地域おこし協力隊の募集だった。ミッションは、「公民館を拠点とした地域コミュニティの活性化」とある。

公民館とは、社会教育法によって自治体が設置する住民のための学び拠点だ。生活文化の向上、地域交流の促進などが目的で、公民館を持たない自治体にも似た役割を担う施設が置かれている。

榎本さんは移住前、地元の集会所で「自治会文庫」の活動に参加し、世代を越えたつながりにふれていた。そんな原体験もあったからだろう。協力隊の募集に公民館という文字を見つけた瞬間「これだ」と直感し、尾道移住の準備を始めたという。

地域に溶け込み
あちこちへと軽やかに

晴れて協力隊に着任し、いくつかの季節が巡った。「やりたいことが多すぎて体が足りません」と榎本さんは笑う。河内公民館で開催された子どもが営む商店街、土堂公民館での本格的なラーメン作り、各地の盆踊りやお祭り…。たくさんの人から声をかけられ、平日も休日も関係なく、軽やかに地域へと足を運ぶ。

精力的な活動の一方で、先輩協力隊員たちの背中を見て焦りがにじむこともある。それでも、公民館を訪れるたびに自分の名前を呼んでくれる人が増えていくことがなによりの支えだ。地域に溶け込んでいくその確かな感触が、彼女の新たな活力となっている。

公民館の価値を
広い世代へ届けたい

「中高生や働き盛りの世代が、自分の"やりたい"を叶えられる自己実現の場所にしたい。進路を考えるイベントや、趣味でつながれるゆるやかな交流の場を作れたら」と榎本さん。聞けば21時半まで開いている館もあるそうで、これなら学校や仕事帰りにも気軽に立ち寄れそうだ。

尾道には30以上の公民館がある。その魅力を生き生きと語る彼女を見ていると、見過ごしていた既存施設の真価に気づかされる。公民館という場所で、誰かの小さな一歩を支える地域おこし協力隊。任期後の活動を少しずつ描きながら、榎本さん自身もまた、尾道で自己実現の道を探していくのだろう。

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