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人と地域がつながるクロスロード 道の駅 駅長

Kazunori Ishihara

道の駅 クロスロードみつぎ 駅長

長崎県対馬市出身。長崎大学経済学部卒業後、福岡の金融企業に就職。東京勤務を含め15年ほど勤めたのち2013年3月、妻の地元である尾道市御調町に家族で移住。翌月、株式会社みつぎ交流館に入社。「尾道ふれあいの里」で1年間の勤務を経て、道の駅リニューアルのタイミングで異動。2018年には「クロスロードみつぎ」の駅長に就任した。道の駅愛の深さは、職場近くに家を建ててしまうほど。趣味は全国の道の駅めぐりと競馬。

地域の魅力がつまった 町の情報ステーション

看板を見つけると、つい立ち寄りたくなってしまう魅惑の場所、道の駅。みずみずしい新鮮野菜を手に取って、 その町ならではの土産物を探す。道の駅は、地域のあれこれがコンパクトにつまった情報ステーションだ。

尾道市御調町にも道の駅がある。岡山県総社市から西に伸びる国道486号線と、島根県出雲市から続く国道184号線の“交差点”に位置するその駅は2002年にオープンし、「クロスロードみつぎ」と名付けられた。

路線バスの時間を調べに訪れる近所の人、道を尋ねに立ち寄る観光客。近くにある高校の生徒もバス停を利用するため、特に夕方の時間帯は一気に賑わう。放課後、高校生が道の駅に集まるというのが、なんかいい。

自然豊かな環境を求めて妻の田舎・御調町へ

「僕、この道の駅と御調町がすごく好きなんです」。そう語るのは、「クロスロードみつぎ」の駅長を務める石原さん。あふれ出る道の駅愛からか、それとも人懐っこい笑顔からか、メディアでは“名物駅長”と紹介される。

以前はファイナンシャル・プランナーとして、福岡や東京でサラリーマン生活を送っていたという。豊かな自然の中で育った自身の原体験からも、子育ては都会よりも自然のある場所がいい。そう考え2013年、妻の実家がある御調町へ住まいを移すことにした。ほどなくして「クロスロードみつぎ」の運営会社と出会い、転職。石原さんの新生活が始まった。

利用者のあらゆる声に
耳を傾け、応えていく

今でこそ御調に馴染む石原さんだが、土地鑑がないころは道がわからないという苦労もあった。しかし、休みのたびにあらゆる道を走った結果、「誰よりもこの近辺に詳しくなった」と自信をのぞかせる。

聞かれるのは道だけではない。初秋には、彼岸花の開花状況について問い合わせもある。「御調の彼岸花を毎年楽しみにしてくださるなら、『わかりません』とはいえません」。この時期には、彼岸花の様子を見に行くことが日課となる。

道の駅で働き始めてから
ここがますます好きになった

駅長の仕事は幅広い。スタッフとして売り場にいることもあれば、小中学校の授業を受け持ったり、全国各地へ足を運ぶこともある。2022年からは、御調で収穫したさつまいもをテーマに「クロスロードみつぎ」で秋祭りを主催。フィナーレには御調の夜空を花火が彩り、訪れた人の笑顔を照らしたのだった。

秋祭り開催の背景には、第一次産業の担い手不足や、ご当地名物となるような土産品の手薄感などの地域課題が確かにあった。しかしそれ以上に、石原さんの「道の駅愛」も欠かせない。「地域が一気に身近になるし、人の営みが感じられる。道の駅って本当におもしろい仕事場ですよ」。

石原さんは今日もこのクロスロードに立ち、地域の総合案内人として、誰かを目的地へと導いている。

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