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尾道の歴史の案内人 尾道商會会長

Tadanao Oku

尾道商會会長

尾道市出身。広島大学、同大学院卒業。在学中、尾道市で開催された「全国路地サミット」の運営に参加。尾道市役所に入庁し、現在は主に移住・定住政策を担当。その傍らで、まち歩き団体・尾道商會を結成し、市民や観光客に尾道の文化や歴史を紹介。路地サミットで知り合った全国の“路地仲間”と各地の路地を巡り、路地の写真を撮りためている。妻と2人の子供と4人暮らし。

路地から見える尾道の歴史

尾道の市街地を歩いていると、無数の小さな路地に出くわす。まるで明治や昭和にタイムスリップしたかのようだ。冒険心を掻き立てられ、吸い込まれるように入っていく。「路地から尾道の歴史が見えてくる」。そう話すのは、まち歩き団体・尾道商會の奥さんだ。

奥さんの本職は、市役所の職員。普段は移住政策を担当しているが、「尾道の魅力を知ってほしい」と若手の職員たちと尾道商會を立ち上げた。2カ月に一度のペースで、路地のほかに「尾道鉄道 廃線跡巡り」など様々なテーマでまち歩きを企画。市民や観光客、中学生から70代まで幅広い層の人たちが参加している。

そこから見えてくるのは、尾道のユニークな文化と歴史だ。

古いものと新しいものが
混ざり合うまち

北部にそびえる山々と、南部に広がる海に囲まれた尾道。平安時代の開港以来、長く海運で栄えた。海運で富を得た商人たちがまちを行き交い、山々には寺社が造営された。江戸時代には商船「北前船」が寄港するようになり、蔵屋敷が立ち並ぶように。これが“路地のまち”尾道のルーツだ。そして明治時代以降、山の斜面地に家屋が次々と建設され、現在のレトロな街並みを形作っていった。

奥さんが愛してやまない路地をはじめ、尾道の市街地には当時の文化が色濃く残る場所が随所にある。それに加え、現在は移住者ら若者たちが新しい店を続々とオープンさせている。古いものと、新しいもの。それらが混ざり合うまち、それが尾道なのだ。

公務員とまち歩き団体、
二足のわらじ

「今でもあの光景が忘れられない」。奥さんは、まち歩きの原点を語り出した。4歳のとき、父親に連れられ、街を見下ろす小高い千光寺山に登った。その展望台から見た大きな空と雲、そして瀬戸内海の雄大な風景が脳裏に焼き付いているのだという。

尾道の歴史に本格的にのめり込んだのは、大学院生時代。毎日のように図書館に通いつめ、歴史書を読み漁った。そして2014年、尾道で開催された「全国路地サミット」。何の肩書もない学生だったが、関係者に頼み込んで運営に携わらせてもらった。そこで全国の路地マニアやまち歩き団体と知り合い、路地の魅力にハマった。

尾道の変化を、
ずっと見ていたい

そんな“一風変わった公務員”を、尾道の人たちはどう思っているのだろうか。「みなさん、おもしろがって応援してくれる」と奥さんは言う。

奥さんの思いはシンプルだ。「このまちに関わる人たちに、『尾道って楽しいね』と思ってもらいたい。ここに暮らしてもらえればベストだけど、外から通ってもらい、交流が生まれるかたちでもいい。そうやって尾道に新しい変化が生まれていく姿を、ずっと見ていたい」

これまで築き上げた歴史の上に、新たな地層を折り重ねていく。そうやって尾道は、これからも新しい歴史を刻んでいくことだろう。

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